「中世的世界の形成」(石母田正著:岩波文庫)  

1944年初版の著名な学者による名著、400ページ以上だが研究テーマの対象となったのは名張であり、10~16世紀の名張の中世史が展開されている。地元の人間ならおなじみの地名を多数目にするであろう。見慣れない語句や表現がたくさんあり決して読みやすい文献ではないが、いろいろな問題について大変深い洞察と分析が加えられている。 

 

 「黒田悪党たちの中世史」(新井孝重著:NHKブックス)   

2005年初版でより一般的な参考文献。内容的には上の書籍と重なるが、天正伊賀の乱まで敷衍している。古文書については、用語の説明や現代語訳が施されており、読みやすい。平氏が焼いた東大寺の再建で大きな役割をはたいた重源の話は大変興味深い。

天正伊賀の乱

 これについてはフィクション、ノンフィクションとも無数にあるが、以下一部を紹介する。

 <ノンフィクション>

 『天正伊賀の乱』(和田裕弘:中公新書)

 『伊賀天正の乱』(横山高治:新風書房)  『信長と伊勢・伊賀』(横山高治:創元社)  

 『忍者の歴史』(山田雄司:角川選書)

 『信長公記』(太田牛一:角川書店)

 <フィクション>

 『忍びの者』(村山知義;理論社、全5部)

 『山河果てるとも』(伊東潤:角川文庫)

 『忍びの国』(和田竜:新潮社)

 『焔の地』(結城充孝:光文社)

伊賀史全般

 『図説伊賀史』(久保文武)

 『おきつもの名張 今と昔』(名張市役所) 

 『名張市史』(中貞夫)